ソルト&ペッパー(灰色・白)の毛色が多く、その白髪まじりな印象から、
「おじいちゃんみたいなワンちゃん」というイメージが強いシュナウザー。
立派な口ひげとしっかりとした眉毛が特徴で、ワイルドなイメージが
強いため、「ちょっと怖いワンちゃんかも?」・・・と思われがちです。
しかし、眉毛の奥に隠れている目は実はクリクリで非常に愛らしく、
性格的にもとっても甘えん坊で、飼いやすいワンちゃんなんですよ。
外見と性格のギャップが激しく、一度そのかわいさに触れると
ミニチュアシュナウザーの虜になる方も多いとか・・・
「人間の脳を持つ犬」とも言われており、人間をよく観察し、
状況に応じた行動を取ることができます。
人間のことが大好きな子が多く、お子様との相性も抜群です。
逆に、甘えん坊さんですので、人とのコミュニケーションが不足すると、
情緒が不安定になってしまうことも・・・
飼う上では、しっかりとしたコミュニケーションを取って、かわいがってあげてくださいね。
他のダブルコートの犬種と比べると、毛が抜けにくいため、
マンションなどでも飼いやすいワンちゃんだといえます。
しかし、そのままにしておくとボサボサになってしまうため、定期的なトリミングが必要となります。
逆に言うと、トリミングによりプードルのようなベアーカットや、モヒカン、耳の毛だけ長くしたりと、
いろいろなカットを楽しむことができますので、それも魅力の一つとなっています。
尻尾の毛だけボンボンみたくすることも・・・
想像しただけでも、かわいいですよね!!
ミニチュアシュナウザーは、19世紀後半に、ドイツ・ババリア地方で生まれました。
牧羊犬として飼われていたスタンダードシュナウザーとアッフェン・ピンシャー、
ミニチュア・ピンシャーを異種交配して生まれた犬種です。
プードルを掛け合わせたともいわれています。
他のテリア犬がヨーロッパ出身であるのに、この犬種はテリア犬を
祖先に持っていないため、唯一その血を持ちません。
当初、ドイツの農場の番犬や、農場のネズミを取る役割を担っていました。
小柄な体型とは裏腹に、広大な範囲の農場をたった一頭で担当するくらい、
大変スタミナがあり、なんでもこなす犬種でした。
ミニチュアシュナウザーとはドイツ語で「小さい口ひげ」という意味で、
よくこの犬種の特徴を表しています。
そのひげはネズミからの攻撃を防ぐために発達し、残ったようです。
とても実用的なものなのだといえます。
後に、アメリカへ渡り、上流階級の婦人達とともに社交界デビューを果たし、
瞬く間に人気犬種のトップクラスに上りつめ、1899年にはドッグショーに初出場します。
日本には1950年代にアメリカから輸入されましたが、当初は飼育に関する
情報量が不足していたため、あまり流行しませんでした。
その後、様々な情報が広まったことで、1970年代から注目が集まるようになり、
徐々にジャパンケネルクラブ(JKC)登録犬数ランキングを上げていくことになります。
現在もショードッグとして活躍したり、愛玩犬として不動の人気を誇っています。
●シュナウザーのスタンダード
犬のスタンダードとは、犬の純潔性を守るためその犬の理想の
形態や気質などを細かく定めたものです。
多くのブリーダーたちは、そのスタンダードに書かれた
「シュナウザー」を目指して、日々努力を重ねています。
まだドッグショーで活躍する犬達も、どれだけスタンダードに近い
のかを競い合い、一定の結果を出した犬がCH(チャンピオン犬)
として認められます。
ここでは、JKC(ジャパンケンネルクラブ)が定めるスタンダードから
シュナウザーの特徴を、簡単にまとめてみたいと思います。
1.大きさ・体重
・ミニチュアシュナウザー
体高:30~35cm
体重:約4~8kg
・スタンダードシュナウザー
体高:45~50cm
体重:約14~20kg
・ジャイアントシュナウザー
体高:60~70cm
体重:約35~47kg
2.毛質・毛色
・ブラックのアンダーコートで漆黒
・ソルト&ペッパー
・ブラック&シルバー
・ホワイトのアンダーコートで純白
被毛は粗く、針金状
ダブルコートで、下毛は密集していて、上毛は硬くてワイヤーのような毛質。
四肢やボディの毛は長く柔らかい。
抜け毛は少ないですが、抜けないかわりに伸びは早く、定期的にトリミングが必要です。
3.体(ボディ)
頑丈で太い骨格、引き締まった筋肉、四肢の飾り毛が特徴的。
体の長さと高さが均等で、正方形型をしているため、
この体型からも活動的な性質だとわかります。
4.顔
盛り上がった眉の部分の毛と立派な口ひげ。口先はくさび形をしています。
5.耳
耳はV字型のタレ耳ですが断耳して立たせることがあります。
しかし、ヨーロッパなどでは、断耳、断尾は禁止され、行われていません。
6.鼻
鼻の色はブラック。
7.目
色はダーク。
毛の影響で目の大きさは、小さく見えがちすが、実はクリクリとした大きなお目目をしています。
※なんで断尾や断耳をするの???
嬉しい時には尻尾をプリプリしたり、耳を垂らしてニコニコしていたり、
叱られてしまって耳を垂らして落ち込んでいたり・・・。
ワンちゃんの表情が一番解りやすい部分でもあります。
シュナウザーの場合、農場の番犬としても活躍してきた歴史があるため、
泥棒に立ち向かうこともありました。
しかし、ワンちゃんの中には、人なつっこい子もいれば臆病な子もいます。
そのため、表情の表れやすい尻尾と耳を切ることで(断尾・断耳といいます)、
犬の表情をわかりにくくする必要があったと言われています。
人なつっこいワンちゃんであれば、泥棒に対しても尻尾をプリプリなんてことも。。。
それでは、番犬としての役目を果たせませんからね。
昔は必要な行為ではありましたが、今は番犬としての必要性が薄れているため、
ヨーロッパなどでは「動物虐待にあたる!」として禁止される傾向にあります。